自然と共に歩む 『愛の手』 だより ◆薬剤師のブログ◆

お悩み相談専門店(漢方薬局と心のケア)として営んでます。薬草など自然を主体にご紹介し、感じることも色々綴ってます^-^  ≪あんく♪≫

著者 不詳

花か雑草かの違いは、判断の違いにすぎない。

 

【物や物事の見方、思考、捉え方などの判断は、とても大切だと想う。惑わされない「真実の視点」を持ちたい私。 あんく♪より】

  

◆15 - 1 『 五穀と五臓 』  東洋医学(五行説)より

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雑穀も生薬!? 「五穀と五臓」の関係 ① 

【 五臓と五穀 麦(むぎ)→肝  大麦 薬膳としての大麦 生薬としての麦 
       黍(きび)→心  粟(あわ)→脾臓  生薬としての粟(あわ) 
                        薬と食 バランスと責任 】



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稗・黍・粟・麦・黒米・黒豆 の六穀    By あんく♪


早くて秋の気配を感じるこの時季ですね
秋と言えば、穀物が実る季節でもありますね。
稲刈り早々とはじまっている地域もあると思います

近年、健康ブームにより「雑穀(ごはん)」が知られて用いられるようになりました。
その雑穀にも、様々なものがあります。 

 米(稲)、大麦、小麦、大豆、小豆、
 粟、稗、黍、胡麻、たかきび、アマランサス    などなど

あり、混合されている数や種類も色々で、販売されいますね。

実はこの雑穀にも、薬膳としてはもちろん
「 生薬 」 をとして用いられてきたものがあるのですよ
ご存知でしたか

本日は、雑穀の 「 五穀」 について綴りたいと思います


麦畑はもう黄金色
麦畑はもう黄金色 posted by (C)ここわんこ(ゆっくり活動中)


【 五臓 と 五穀 】

実は、日本では、
米、麦、粟、豆、稗または黍 が、一般的に食されてきたようです。
また地域により、「五穀」の種類にも違いがあるといえます。

ちなみに、素問(書籍)より、
五臓の五穀は、五臓の食用や薬用になる穀物とされています。
その五行説による 「五穀」は下記にようになっています


 肝  麦 ( むぎ )

 心  黍 ( きび )

 脾  粟 ( あわ )

 肺  稲 ( いね )

 腎  豆 ( まめ )



本日は、この五穀のうち、三穀(麦、黍、粟)について綴りたいと思います



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丸麦(むぎ) By あんく♪



【 むぎ(麦)→「肝」】

麦には、小麦 と 大麦 をはじめ、 
押し麦、はだか麦、はと麦、丸麦などもあります。

  押し麦 : 大麦は固いので、消化を助けるために一度蒸して押し潰したもの。
  はだか麦 : 西日本に多く、従来は味噌や麦茶にしようされてきました。
  もち麦 : もち種は、栽培に手間がかかり、
         日本・中国・朝鮮にしかないとされ、まだ希少品のようです。
  まる麦 : 押し麦にない、麦らしいプチプチする食感が楽しめる大麦の精麦です。

これらは、現在でも雑穀として使用されている麦たちです

では次は、薬膳としての「大麦」、 生薬としての「小麦」と「麦芽」 
について綴りたいと思います


麦畑♪
麦畑♪ posted by (C)プレティオ


【 大麦 】

≪ 歴史 ≫

1万年ほど前から、西南アジア地域で栽培されていたとのが通説です。
日本にやってきたのは、3~4世紀頃で、炒って粉にして食されており、
室町時代入って、大麦の粒をそのまま食べるのが主流になったようです。

≪ 栄養 ≫
大麦は、優れた栄養価を持ち ビタミンB2は精白米の2倍
カルシウムは精白米の3倍含まれています。
また、食物繊維が豊富で、
食物繊維の「水溶性」と「不溶性」、ともに含まれています。

≪ 食 ≫
古くから、庶民の味で、健康食として知られており、
日本最古の医学書「医心方」にも、
「麦は、五穀の中でも最良のもの」「熱毒を除いて、内臓の働きを整える」と
あるそうです。
日露戦争で、陸軍戦死者の死因の6割が「かっけ」であり、
その原因が栄養障害で気づいた 海軍軍医が麦ごはんを
糧食に採用したと言う話が有名です。



麦穂
麦穂 posted by (C)プレティオ



【 薬膳としての大麦 】 ( 中国の性質の捉え方 )

 五味 : 甘・鹹

 寒熱 : 微温(涼)

 帰経 : 脾・胃・(膀胱)

 効能 : 清熱消渇、益気整中、涼血利水、強身養血、寛腸消積


五行説では、麦は 五臓の「肝」に対応するのですが、

帰経には、「肝」はありませんね。

ここが、東洋医学(中医学)の面白さともいえます。


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【 生薬としての麦 】

≪小麦(ショウバク)≫

 基原 : イネ科のコムギの種子
 
 五味 : 甘

 寒熱 : 涼

 帰経 : 心・脾・腎

 効能 : 心・腎の気を整える。
      胸苦しさを伴う熱函および発熱を除く。
      渇きを止める。

 主治 : 精神不安、狡猾、下痢、化膿の腫物、外傷による出血、やけど。

 ◆ 麦の生薬配合の漢方薬 : 甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)
 
   現代でも、小児の気持ちを落ち着ける時などにも
   使用されている漢方薬のひとつです。

       ただし現在は、食用の小麦を薬用に転用されているようです。 



麦秋
麦秋 posted by (C)プレティオ



≪麦芽(バクガ)≫  

 基原 : イネ科の大麦の発芽したケイ果

 五味 : 甘

 温寒 : 微温

 帰経 : 脾、胃

 効能 : 胃腸機能を促進し、消化を促す。

 主治 : 消化不良、腹部の膨張感、食欲不振、嘔吐、
      下痢、断乳時に乳が止まらないもの。 

  ◆ 麦芽の生薬を含む漢方薬 : 加味平胃散(カミヘイイサン)、
                 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

  この2種類も、お腹の調子を整える時などに現在使用されている漢方薬です。

麦芽と言えば、ビールを連想させる人も多いかもしれませんね



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もち黍(きび) By あんく♪



【 きび(黍)→ 「心」】

では、続いて 「黍(きび)」について綴りたいと思います

他の作物が育たないような乾燥地や荒地に育つ、
厳しい自然環境のアフガニスタンでも
多く栽培されています。ただし、吸肥力が強いので連作すると
土地がやせてしますという欠点もありますが、
ひえやあわより生育期間が短いという長所もあります。

見た目とおり、「黄実(きみ)」が語源で、
きびと呼ばれるようになったといわれています。
品種によっては、白ぽっい色や褐色のものもあるようです。 


≪ 歴史 ≫
古代中国では、黄米といって、最高級の主食だったようです。
日本では、あわの方が好まれたようです。

≪ 栄養 ≫
ひえやあわと並んで、バランスのよい栄養価です。
栄養豊富で低カロリーな穀物です。
淡水化物やタンパク湿の代謝を促進する
ダイエッターには不可欠な亜鉛が豊富で、
精白米の薬2倍含まれています。
食物繊維、マグネシウム、鉄などもそれぞれ3倍ほど含んでいるます。
また、きびに含まいる、ポリフェノールの一種には、抗酸化作用が優れおり
老化防止効果が期待されます。

≪ 食 ≫
もち種とうるち種がありますが、
ほとんどがもち種で「もちきび」と呼ばれています。
きびは、もっとも味のバランスがよい雑穀のひとつで、
きび100%で炊くと、さわやかな黄色になり、冷めてもちもち感があります。
桃太郎のキビ団子でも有名な、きびです。



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黄もち粟(あわ) By あんく♪



【 あわ(粟)→ 脾 】

では、つづいて「粟(あわ)」について綴りたいと思います

ご先祖は、道端に生える野生種のエノコロザク「猫じゃらし」と推定されています。
原産地は、中央から西アジアで、石器時代にシベリア、オーストラリアを得て
ヨーロッパに伝わった説が有力とされています。
現在は、雑穀生産量の約90%を占めており、日本では、岩手県が主産地となっています。

≪ 歴史 ≫
ひえとならんで、栽培の歴史が古い日本最古の穀物とされています。
1700年ごろは、
うるちあわは大衆の女色で、もちあわは上流階級の食べ物だったようです。
明治の初めでも、コメよりあわの栽培量のほうが多かったようです。

≪ 食 ≫
もち種とうるち種があり、もち種が主流です。
あわは小さく、脱穀が厄介なのですが、
甘みが好まれお菓子など様々に使われてきました。
あわ菓子は有名と思います。

≪ 栄養 ≫
ミネラル、ビタミンなどが豊富。
特に、食もち繊維、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムが多く、
鉄分が精白米の6倍も含まれています。
ひえと同様に、血中の善玉(HDL)コレステロールを高める作用があるとされており
動脈硬化予防に期待されています。

日焼けや肌荒れに効果があるとされるパントテン酸の含有量が豊富で、雑穀の中で1番。
抗酸化作用も期待されています。



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左から 稗(ひえ)、黍(きび)、粟(あわ)   By あんく♪



【 生薬としての粟 】( 中国の性質の捉え方 )

≪粟(アワ)≫

 基原 : イネ科のアワの種皮を除いた種子

 五味 : 甘・鹹

 温寒 : 涼

 帰経 : 腎・脾・胃

 効能 : 胃腸系を整える。腎の陽気を補う。胃の炎症を鎮める。

 主治 : 脾胃の虚熱、胃の痛み、嘔吐、糖尿病の口渇を伴う病、水性下痢 

  
 過去に、「粟(あわ)」は「胃風湯」の漢方薬
 配合され使用されていたようですが、
 現在、生薬としての流通はないようです。
 また、長く貯蔵したもの「陳粟米(ちんぞくべい)と称し、
 下痢をとめ、煩悶を解く効能があるとされています。

 
かかしさん
かかしさん posted by (C)ここわんこ(ゆっくり活動中)


【 薬 と 食 】

このように、
意外に身近で、見直されるようになった雑穀の中にも、
生薬として漢方薬で使用されてきた事実は、意外に知られていないと思います

このように雑穀が良いと言われるのも、ご理解頂ければ幸いです
ただ、良いから沢山摂取すれば良いという訳でもなく、
もっとも重要なことは、
「各自に合った様々なバランスの大切さ」と言えます

食は、まさに健康作りの基盤と言え、
昔は、「生きる為に食べる」「健康の為に食べる」であったものが、
時代と共に、「美味しく食べる」などの、味覚追求などが
強くなってしまっている・・・



稲穂の向こう側
稲穂の向こう側 posted by (C)ここわんこ(ゆっくり活動中)



【 バランス と 責任 】

つまり、
「今日は、自分の健康の為に何を食べたいか、食べるようか・・・」というより、
「今日は、美味しい好きな、何を食べたいか、食べようか・・・」・・・
また不経済になってきて、「経済的に 安くなる食事に・・・」傾向  などなど

これはバランスが悪くなる傾向・・・ と言えるのではないでしょうか
これらの、それぞれのバランスが大切・・・
私も自分で耳が痛い部分があります。。。

現代、食べ物が豊富になりすぎている時代になっているのも
その要因のひとつかもしれませんね
実は、豊富になるほど、各自に責任が問われている
とも言えるのかもしれませんね。。。


何度も記載してきましたが、
バランスが乱れたり、崩れると、人間の健康も崩れると言えそうですね

「 様々なバランスの大切さ 」は、「 自分の責任 」に繋がっている・・・
これは、仏教にもある「中庸への道」にも繋がっていると思います

食をはじめ、思考や行動も含め、何でもバランスを大切にする事は、
心身の健康に繋がる歩む道では・・・。  

あなたの様々な、バランスは如何でしょうか



国分寺 実りの秋
国分寺 実りの秋 posted by (C)プレティオ



今回は五穀の内、「 麦 → 肝 」、「 粟 → 心 」、「 黍 → 脾 」 
の3種をご紹介しました
次回は、更に身近な 「 稲  →  肺 」 と 「 豆  →  腎  」 と
その他の雑穀の「ひえ(稗)」についてご紹介いしたいと思います



皆さん、如何でしたか

   「 五蔵と五穀 」 や 「 東洋(中)医学の捉え方 」  から
                   何か参考になる事がありましたか

自然哲学でもある東洋医学に触れ
      何かしら、自然や自分と向き合う キッカケ となれば幸いです








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